徳永商店は、確かな製材技術でお客様のニーズに的確に応える木材製品をお届けします。
2010年07月
つづき
任天堂は、ゲーム時代の転換期においても、コツコツと積み上げた自己資本(潤沢な内部留保)のおかげで、余裕をもって次の時代の新製品開発に取り組むことができるという訳です。
「ダム式経営」とは経営にもダムで水を貯えるような、余裕のある進め方が大事であるとい
うことです。すなわち、税引後の利益を内部留保として蓄えて、自己資本比率を高める
ことが、経営に余裕を持たせるのです。
以下稲盛和夫氏(京セラ創業者)が税引後利益の重要性について語った文章を引用させて
いただきます。
「税引後利益を大切にすることは、内部留保を蓄え、自己資本比率を高め、企業の財務体質を
強化する唯一の方法なのです。どれほどたくさんの税金を支払わなくてはならないにしても、
収益性を上げる努力を続けなければなりません。
私は税金を必要な事業経費の一部として捉え、税引後利益をコツコツと社内に蓄積してきまし
た。現在、京セラは大きな内部留保を持っており、それによって会社には安定性と柔軟性が、
従業員には仕事の機会がもたらされています。また、この強さがあればこそ、新たな事業への
チャレンジも可能となるのです。」
(成功への情熱 稲盛和夫著) PHP文庫
企業の将来を保証するものは何もありません。
企業経営は、人の人生と同じで良いときもあれば悪いときもあります。
環境がどのように変化しようとも、その変化に耐えられるだけの体力をつけておかねばなりま
せん。すなわち自己資本比率を高めることが大事なのです(ダム式経営)。
参考
自己資本比率上位ランキング 日・米の自己資本比率の高い企業の情報が見られます。
アメリカにも財務内容のよい企業がたくさんあるのは意外?でした。
答えは 任天堂(株)です。
平成22年3月期決算は、
売上高 1兆4,343億円に対して、経常利益が 3,643億円
経常利益率はナント 25.4%
連結社員数 4,394名 (2009年12月現在)で人数割すると、
一人当たりの売上高は 3億2,642万円
一人当たりの経常利益は 8,290万円
改めて任天堂の凄さが見てとれます。
次に 任天堂の貸借対照表(バランスシート)を見てみると、
盤石な(すぎる)財務基盤があることがわかります。
総資産 1兆7,609億円 に対して、
純資産 1兆3,365億円
自己資本率 75.9%
文句のつけようがない数字ばかりです。
私が凄いと思ったのは、ここからで、
3−4年前だったでしょうか、任天堂の岩田 聡 社長は
Nintendo Wii や DSが世界のゲーム市場を席巻している最中に、
自社の財務内容に対して、安心はしていない旨の発言をしていました。
今は、任天堂がゲーム業界でトップシェアを握っているが、
この状況がいつまで続くのか、どこにも保証はない。
ゲームの開発には多額の開発費用がいるので、
財務内容を厚くしておかないと、必要なときに、次の手が打てない。
業績が好調な時に、この危機意識が持てるか否かがたいへん重要なのです。
私は当分の間、任天堂の一人勝ちが続くと思っていたので、
岩田氏は用心深く先を読む社長だなと思った記憶が残っています。
あれから数年経った現在、岩田氏が予測した通りゲーム業界を取り巻く環境は
大きく変化しました。
携帯電話でゲームを楽しむ人が増えたり、
インターネットを通じたソフト配信の世界的な普及で、
パッケージソフトの販売量が低下しています。
数年でゲームを取り巻く環境は激変してしまいました。
つづく
下の数字はある上場企業の平成22年3月期の連結業績です。
P/L(損益計算書)
売上高 1,434,365 百万円
営業利益 356,567
経常利益 364,324
当期純利益 228,635
B/S(貸借対照表)
総資産 1,760,986 百万円
純資産 1,336,585
自己資本比率 75.9 %
さて、どこの会社の決算かわかる方いらっしゃいますか?
つづく