カタール(QATAR)

アジアカップサッカーが開催された国 カタール (QATAR)。

日本ではあまり馴染みのない国の一つですが、日本代表の活躍でその名が知られたことと思います。アラビア半島に位置するカタールは、秋田県とほぼ同じ面積(11,427km2)で、人口は170万人の小さい国です。石油と天然ガスの輸出が主な産業で、日本とは天然ガスの交易により深いつながりがあります。

カタール QATAR

今回のアジアカップを観ていたら、21年前にカタールを訪れた時のことを思い出しました。
当時私は、商社に勤務しており、中近東とアフリカ諸国の代理店に、日本製の複写機(コピーマシン)を輸出する業務に携わっていました。日本から遠く離れた国ですから、現地支店や代理店とのやりとりはTELEXやFAXで行います(インターネットが普及する以前)。

代理店の社長や担当者と直接顔を合わせることなく仕事をしていましたが、入社2年目に、現地に出張する機会を上司の永澤課長に作っていただきました。(貴重な経験をさせていただき、本当に感謝しております。)担当国のうち、ヨルダン、オマーン、バーレーン、カタール、北イエメン、南イエメン、エチオピアを2週間で廻る行程を組み、カタールの首都ドーハには2泊したと記憶しています。

カタールでの仕事は、現地代理店の状況調査と新しい代理店候補者と面談することでした。
というのも、代理店の過去数年間の販売実績が低調で、セールスの改善も見られないことから、契約を継続するのか、打ち切るのか判断をしなくてはならない時期にきていたのです。
国外の法律がからむデリケートな問題だけに、社内の法務部のアドバイスを仰ぎながら交渉を進めましたが、在職中に結論まで至らなかったことは残念でした。

Doha

カタールの首都ドーハは、もともと何もない砂漠の土地に作られた街ですが、古い建物と近代的なビルが混在する中に道路と植栽(緑)がきれいに配置されており、計画的に整備された街並みが印象的でした。最近のドーハ市内の映像を見ると、まるでドバイの街と見間違えるほど高層ビルが立ち並んでいる姿には驚きました。天然資源の恩恵を十二分に得て、経済が発展しているのが伺えます。

中近東諸国を廻って分かったことは、国によって気候、土地、街並み、国民性、衣装、生活習慣、貧富の差まで、大きな違いがあるということです。生活の違いを生む大きな要因は、天然資源の有無です。天然資源に恵まれた国は、国によるインフラ整備も進み、また国民に対する手厚い福祉政策のおかげで、人々の暮らしにもゆとりが感じられます。

この時の出張では、自らの足で現地へ赴き、自分の頭で状況を確認・判断することが、仕事においてとても大切なことであると学ばさせていただきました。

Doha QATAR

当時の旅程を思い出してみました。

日本(成田)→ タイ → ヨルダン(アンマン) → カタール(ドーハ) → バーレーン(マナマ) → オマーン(マスカット) → クエート(空港トランジット) → 北イエメン(サヌア) → 南イエメン(アデン) → エチオピア(アジスアベバ) → イタリア(ローマ) → 日本(成田) 
(ヨルダンからクエートまでの行程が微妙に違うかもしれません)

因に、私が中東を訪れた半年後に、イラクによるクエート侵攻がおこり、湾岸戦争へと突入することとなります。 

投稿日時:2011.02.03(Thu) 23:16:24|投稿者:tokunaga